グッド・ワイフ シーズン2

みました。

シーズン2は早くも動きが多くマンネリ化しないようになっている。

第1話は前回(シーズン1最終話)の続き。ウィルからの「浮気しようぜ告白留守電」を、アリシアが聞く前にイーライがこっそり消去してしまうところから始まる。これによりアリシアは知らないうちにバッドワイフ化を回避。そうとは知らないウィルはよそよそしい。

アリシアとジュニア・アソシエイトの座を巡りながら惜しくも敗れ事務所を去ったケイリーがまさかの検事局に転職。そしたら以前は明るいおとぼけキャラだったのが急にクールな切れ者キャラにかわっていた。仕事は有能だけど主人公の敵役となってしまう役柄上負けてしまうことが多く可哀想。

謎多きクールなインド系の有能美人調査員カリンダと、顔がパンパンな謎多き有能暴力調査員ブレイクとのバトルも勃発。お互いがお互いの謎を解き明かしあい、泥沼化していく。カリンダがフルスイングしたりする。

ピーターの選挙参謀イーライは、第1シーズンの登場時のキレッキレな印象からコミカルオーバーリアクションときめきおじさんへとジョブチェンジ。ただし仕事自体は有能でピーターをバリバリにサポートしており頼もしい。

中年女ボスであるダイアンは、同じく中年の弾道解析専門家ヒゲおじさんマクベイと、どこに需要があるのか不明であり視聴者の誰も得しない中年ラブシーンを繰り広げてしまう。ただしどちらも仕事は有能。しかしマクベイは訴訟を起こされ、シカゴを去ってしまう。

主人公の属するロックハート・ガードナー事務所が経営難となり倒産の危機となる。それを回避するために合併し共同経営者となったデリックは、このシーズンで早くも追い出されてしまう。こっちから呼んでおいて切るとか何のために合併したのかわからん。そしてこの後で経営難でつぶれそうという話はあまり出てこない。何だったんだ。ちなみに吹替版だと声が棒読みである。

しかし何といっても(個人的に)一番の見どころは新キャラのケニング弁護士だ。

遅発性ジスキネジアという難病を患っており、常に体がフラフラゆらゆらしていてほっとけない感じのチビのおじさん弁護士。しかし実はものすごく頭が切れ、持病をハンデとするどころかそれすらも武器としてフル活用し法廷を戦い抜く。アリシアとの初戦ではいわゆる「試合に負けて勝負に勝った」形でしっかり目的を果たしており、勝った勝ったと喜んでいるダイアンやウィルが道化に見えてしまうというオチで締めくくられた。

そんな曲者敏腕弁護士ケニング、なんとマイケル・J・フォックスが演じているんである。これには驚いた。パーキンソン病を患っているのを逆手にとってこういうキャラが生まれたわけだ。そもそもパーキンソン病なのに役者の仕事を続けているところがすごい。

最終回ではピーターが州検事選に見事当選。

しかしその一方で、とうとうアリシアがウィルとバッドワイフしてしまう。もうタイトル変えろよ。よくても「グッドワイフ」止まりだろこれじゃ。

少し前の回で、なんと昔カリンダがピーターと関係を持っていたことが明らかになる。とはいえカリンダとアリシアが出会うずっと前のこと。知ってて裏切ったわけじゃない(隠し続けてはいたが…)。ピーターも「以前は過ちを犯したが今は心を入れ替えている」と弁明するも、アリシアはショックのあまり思いつく限りの言葉で鬼のように罵倒しまくる。

それを受け、このドラマで最も冷静かつミステリアスなカリンダが、なんと号泣してしまう。

という話をうけてのバッド化なのでどうにも納得がいかない。どっちかっていうと過去の浮気に懲りて現在は家族を守ろうとしているピーター(アリシアの見ていないところでも家族を守る描写があるあたり、単なるポーズではないことが見て取れる)より、現在進行形でバッドしているアリシアの方がよっぽど問題じゃないか。

しかも、シーズン1では頼りなく情けなかったピーターがこのシーズンでは頼りになる切れ者・大物感が出てきて好感度が上がっちゃうから、余計にそう思えるんだよね。

これ、脚本家はどういう考えのもとでこうしたんだろう?いくら主人公とはいえ、とても好感を持たれるようになるとは思えないんだけど…?